土地から新築

地盤改良と責任の所在

YOLO!ひーやんです。

 

ここ最近の2ヶ月の間で支援していた投資家の方にちょっとした悲劇が訪れました。私も憤りを隠せないです。

 

この件は別途、記事におこすとして、今回は2棟目体験記の続編です。

 

前回の記事はこちら

 

 隣家被害の責任の所在

地盤改良工事の見積が出たものの、老朽化した隣家が地盤改良工事による影響を受ける可能性があるため、業者が工事に対して及び腰になってしまいました。

 

 

f:id:minetiru:20190717000619j:plain

老朽化激しい隣家

 

民法716条では、地盤改良工事で隣家にクラック(ひび)が入ったり、倒壊した場合の損害については、基本的には施工業者が責任を負う事になっています。

 

民法第716条

注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない

 

ここで気になるのが「注文者に過失があった場合」という記述です。

 

調べてみると、色々なケースが出てきますが、どうやら「隣家が老朽化していて、工事によりクラック(ひび)が入る可能性を知った上で、業者に工事を発注した場合」も該当するようです。

この場合は民法719条の共同不法行為にあたるようで、施主と業者は連帯損害賠償義務を負わなければならない可能性があります。

 

民法第719条

  • 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
  • 行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

 

f:id:minetiru:20190314003753j:plain

 しまった・・・

 

地盤改良業者からの情報により、既に私は「工事により老朽化した隣家に何かしら影響がおきる事を予見できる状態」となってしまっています。

 

そのため、今回お願いしている地盤改良業者だろうと、他の地盤改良業者だろうと、工事中に何かがおきれば、私にも損害賠償が及んでしまうかもしれません。

 

f:id:minetiru:20190514004857j:plain

 

リスクヘッジの仕方

調べていくと、建設工事自体でも隣家に影響を与えるという同様のリスクはあるようです。

 

アルドルビー(建設会社)は年間数百棟をこなすパワービルダーのため、経験値も高いはず。

 

今回のように、工事の影響を受けそうな老朽化した隣家がある場合の建設工事は、これまでどのように対処してきたのでしょうか?

 

営業の坂上さんに聞いてみました

 

墨田の物件、カクカクシカジカなのですが、建設中に隣家に被害が出るリスクはないのでしょうか?

あるにはありますが、どちらかというと工事の影響でもないのに隣家から「工事のせいでヒビが入った」とクレームが入り、賠償要求されるリスクの方が高いんですよ

え?そういう場合はどうするですか?

そうならないように、ヤバめの隣家がある場合は、工事前に土地家屋調査士に建物の現況証明資料を作ってもらっておき、工事の影響でない事を突きつけるんです

へー。その資料って今回は作成予定ですかね?

はい。老朽化した隣家の件は把握していたので、作成予定で考えていました。そんな大した費用でもないですし

どうやら、建設工事で隣家に損害を与えるリスクよりも、工事にかこつけてクレームをつけてくる隣人が発生するリスクの方が大きいようです。

 

地盤改良工事突入!!

その後、地盤改良業者と話をしたところ社内でもアルドルビーと同じような意見が出てきたようで、今回は地盤改良工事前に現況証明書類を作成するという前提で、工事を請け負ってもらえる事になりました。

 

f:id:minetiru:20190717002401j:plain

あー良かった💨

 

以下、その後の地盤改良工事の様子です。

 

 

f:id:minetiru:20190718232005j:plain

大量のセメントが現地に搬入されてきます

 

 

 

f:id:minetiru:20190718232009j:plain

掘削ロッドでセメントミルクを流し込んでいきます

 

 

f:id:minetiru:20190718232000j:plain

施工完了!!

 

地盤改良工事が終わるまで隣家に影響が出ないかドキドキしていましたが、特に何も起きずでした。 その後、隣家からの言われもないクレームも発生しませんでした。

 

終わってみれば、ここまで心配する必要あったのかな?という位、思い悩みましたが、終わりよければすべてよしですね♪

 

続きの記事はこちら



★2023年1月に書籍を出版しました★