売買契約書の落とし穴
仲介の堀江さんとの売買契約書と重要事項説明書の事前読み合わせが終わり、自宅に帰ると、黒神様より一通のメールが届いていました。
仲介との打ち合わせ、どうだったナリ?
早速、仲介からもらった資料をPDF化し、黒神様に送付し、内容に買主不利な点がないか聞いてみました。
うーん。境界承諾が得られなかった場合に買主から意義申し立てができないのは厳しいナリね。ただ、このご時勢だと売主優位も致し方ないナリ
そうなんですよ
南西側・南東側の道路の通行掘削承諾は取得してもらうようお願いした方がよいナリ
ツーコウクッサク承諾ですか?
確定測量ができなくても、現況測量で建築申請は出せるナリが通行掘削承諾がないと、そもそも建築自体ができなくなるリスクがあるナリ
!?そ、そうなんですか!?
ツーコウクッサク承諾・・・そんなに重要なものなんだ。。。
道路通行掘削承諾
早速ですが調べましたv( ̄∇ ̄)
通行掘削承諾は道路の通行承諾と掘削承諾を指すものです。
それぞれ私が調べた結果を葛飾物件と照らし合わせて整理しました。
通行承諾
まず、他人の土地に囲まれている土地を袋地(ふくろち)と呼びます。
この基準に当てはめると葛飾物件の土地もガッツリと袋地にとなります。
ちなみに袋地を囲んでいる土地を囲繞地(いにょうち)と呼びます。
上記の図だと今回の袋地である土地(1番)の囲繞地は2番、3番、4番となります。
袋地の所有者には「囲繞地(いにょうち)通行権」という公道まで他の土地を通行する権利(民法210条)が付与されます。
今回は、以下のように2項道路(私道)により、公道までの通行ができています。
囲繞地通行権があるなら、通行承諾は不要では?
、、、と思いましたが、囲繞地通行権は、私道を利用して「少なくとも人が」公道に出るための権利となり、民法上は車両の通行を前提にはしていません。
オレっちの私道は車の通行は許可しないよ
などと言ってくる囲繞地所有者がいると、建築のための工事車両が入ってこれなくなってしまいます。
なので、車両の通行を含む通行承諾書を囲繞地所有者からあらかじめ、とっておく事で、後々の面倒を避ける事ができます。
掘削承諾
水道やガスを引き込む際に、道路の掘削が必要になる場合があります。
今回、売買契約書の事前擦り合せ時に物件のインフラ関連資料をもらいましたが
水道管、ガス管は以下のようになっています。
いずれも敷地内に引き込まれていますが、戸建て用の口径の管となるため、口径変更のため、道路の掘削工事が必要になってきます。
他人の私道を勝手に掘削するわけにはいきませんので、事前に掘削承諾書を私道の持ち主から頂いた上で掘削工事をする流れになります。
仲介に申し立てするも・・
いやぁ、危ないところでした。黒神様のアドバイスが無かったら、通行・掘削承諾無しでの土地引き渡しとなるところです。
こんな重要な内容、仲介の堀江さん(仮称)も売買契約の時に言ってくれないとは人が悪いです。ちょっとうっかり屋さんなのでしょうか?
早速、仲介の堀江さんに電話しました。
本日は打ち合わせありがとうございました。売買契約書を改めて見直したところ、通行掘削承諾について記載が漏れているようなので、追加で記載をお願いできますか
通行掘削承諾書も確定測量図と同様、建築時には必須ではないですよ?
え?掘削承諾もですか?
えぇ、もう古い土地ですし、私道についてはお互い様なので、とらなくても特段問題ないと思いますよ
うーん、でも何かあると嫌ですし、、、
私道の所有者も複数名に渡ると思いますし、通行掘削承諾書の取得にも費用もかかるので、売主への負担も大きいんですよ
そうですか・・・
そんなに心配されなくても、大丈夫ですよ。ひーやんさん
心配しすぎですかね・・・わかりました
売主さんのご機嫌損ねて、案件がポシャっては嫌ですし、ここは引き下がりましょう。
まぁ、堀江さんの言う通り、確かに、私道についてはお互い様ですしね。
堀江さんの言う通り、通行掘削承諾とらなくても、おそらく問題は起きないでしょう(*^^*)
(次回に続きます)