不動産投資研究

斜線制限について整理してみた

  • 斜線制限の種類
  • 木造アパートを建てる上での斜線制限注意点のまとめ
  • 北側斜線制限のシミュレーション
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    これまで斜線制限はなーんとなく「難しい」というイメージがあったので、あまり深く調べる事はしてきませんでした。

     

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    但し、葛飾APプロジェジェクトで、この斜線制限に直面してしまい、避ける事ができない課題になってきたので、このタイミングで一度整理してみます。

     

    各種斜線制限の詳細はググればわかりますので、今回は木造アパートを建てるにあたり、気をつけなければならない斜線制限の注意点をまとめてみました。

     

    基本的な考え

    斜線制限とは

    斜線制限とは、起点から「基準の高さ」と「斜線の勾配」によって建築できる建物の高さを制限する法規です。図示するとこんな感じです。

     

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    この起点の決まり方や、高さ、勾配がそれぞれの斜線制限の種類によって異なってきます

     

    勾配の表記は、自治体によってもマチマチですが、以下の考え方が普通ですかね。

     

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    勾配は横方向の距離をかけると、縦方向の距離が出る表記(tanθ)となります。tangentなんて、社会人になって使った事も無いので、脳内シナプスを再結合させるのに苦労しました(笑)


    建物の高さ

    建物の高さですが、一般的には2階建ての「軒の高」さは6m前後。3階建ては9m前後となります。こちらも図示してみました。

     

     

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    斜線制限の種類

    斜線制限の種類には、隣地斜線、道路斜線、北側斜線の3種類がありますので、それぞれ木造アパートを建築する目線で考えていきます。

    隣地斜線制限

    隣地との境界線を起点とした斜線制限となります。

     

    結論から言うと

     

    気にする必要無し!!

     

    です。

     

    理由は、制限となる基準の高さが最低でも20mなので、木造アパートを建てる場合は、気にして無くて良いのです。


    道路斜線制限

    敷地が面している道路の反対側の境界線を起点とする斜線制限となります。

     

    後述の天空率を利用する事で緩和する事が可能ですが、そのままの規程だとかなり厳しい制限となります。

     

    アパートを建てる場合に、接道している道路の幅が十分とれれば良いですが、現実問題、そうはいきません。

     

    例えば、幅員4mの道路に接道している場合を考えてみます。用途地域により、勾配が1.25だったり、1.5だったりしますが、より厳しい勾配の1.25で考えてみると、以下の通りです。

     

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    という事で、木造2階アパート(軒高6m)から制限を受け始める事になります。

     

    それでは、木造3階アパート(軒高9m)を建てるにあたって、制限がかからない道路の幅員を逆算すると、下記の通り7mとなります。

     

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    幅員7mの道路に接道としている土地なんて、そうそうありません。

     

    なので、現実的には木造アパートを建てる場合は、道路斜線の影響は必ずあると考えても良いです。二方向の接道であれば、二方向から道路斜線に攻められます。

     

    そんな厳しい道路斜線の制限を緩和する目的で、平成15年の1月1日の建築基準法改定で盛り込まれたのが天空率です。

     

    天空率は道路斜線制限の起点(接道している道路の反対側の境界点)から、180度ぐるりと上空を見上げた、空(天空)に対する建物の割合が一定の基準以下であれば、道路斜線規制にひっかかっても、建築をしてもよい、というものです。

     

    天空率ですが、もはや、頭で考え・計算する事は不可能なので、建築士さんにお任せするしかありませんが、我々、エンドが知っておくべき事は

     

    道路斜線制限は天空率でだいたい緩和できる

     

    です(笑)

     

    北側斜線制限

    ◆北側斜線制限(建築基準法56条)

    最後に北側斜線制限です。北側隣地の日照の悪化を防ぐことを目的とした法規となります。

     

    実は、木造アパートを建てるにあたり、建築基準法56条における北側斜線制限自体は、そこまで厳しくないのです。

     

    というのも、制限かかかるのは以下の4つの用途地域のみなのです。

     

    • 第一種低層住居専用地域
    • 第二種低層住居専用地域
    • 第一種中高層住居専用地域
    • 第二種中高層住居専用地域

     

    まず、中高層住居専用地域は斜線制限がかかる基準の高さが10mなので、木造アパートの場合は意識しなくてもOKです。

     

    低層住居専用地域は基準の高さが5mですが、建ぺい率・容積率が大きくない地域が多く、そもそも木造アパートを建てるのに適した地域でないため、現実問題、障壁になるのは少ないです。

     

    問題は「高度地区」です。

     

    ◆高度地区による北側斜線制限

    高度地区都市計画法で定めている法規です。

     

    厄介なのは

     

    制限の内容が自治体によって異なる

     

    ことです。

     

    例えば、葛飾区における高度地区は以下となっています。

     

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    第一種・二種高度地区については、基準の高さが5mのため、影響を受ける事になってしまいます。

     

    木造アパートを建てる上での斜線制限注意点のまとめ

    なんだかんだで細かくなってしまいましたが、結局は

     

    ●隣地斜線制限

     気にしなくてOK

     

    ●道路斜線制限
     天空率で緩和できる

     

    ●北側斜線制限

     高度地区による制限には、しっかり向き合う必要あり!!

     

    となります。

     

    北側斜線制限のシミュレーション

    最後に、葛飾APプロジェクトを例にとって、北側斜線制限をどれだけ受けるのかをシミュレーションしてみましょう。

     

    エクセルを利用して、パラメタを設定して斜線制限の影響を図示化する簡易ツールを自前で作成してみました。ツールに葛飾物件のパラメタを設定をしてみます。

     

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    すると、以下のように制限がかかるエリアを三段階で色分けしてくれます。

    ※細かくてわからないと思いますが、1マスは20cmで設定しています。

     

     

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    これに、葛飾区の物件の有効敷地面積の枠と建築面積の枠を合体させてみます。

     

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    黄色部分(3階建てに斜線制限の影響有り)に建物が被っているので、北側の3階の部屋については、斜線制限を受けてしまいそうである事がわかります。

     

    こうなると、天井高を低くしたり、母屋下がりををして対処する必要が出てきます。

    また、黒神様が

     

    葛飾物件は土地が北側から45度傾いているため、斜線は避けやすいナリよ

     

    とおっしゃっていました。

     

    もし、葛飾の土地が真北を向いていた場合はどうなるでしょう?

     

    ちょっとシミュレーションしてみました。

     

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    モロに北側斜線制限を受けてしまいます。。。

    こうなると3階は2戸とせざるを得ないですね。

    以上、木造アパートを建てる上で気をつけなければならない、斜線制限についての整理でした\(^o^)/

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