土地から新築

「新・6棟目」買付劇!

YOLO!ひーやんです!

前回の記事で書いた通り、手付金まで払って進めていた「幻の6棟目」は、泣く泣く地位譲渡することになりました。(前回の涙なしでは語れない記事はこちら👇)

手元から物件は旅立っていきましたが、立ち止まっている暇はありません。

地位譲渡の直後から、私は血眼になって「次なる6棟目」の土地探しを続けていました。しかし、これがなかなかに難航したのです。。。

相場が動いたとき、歪みは生まれる

当時(2025年初頭)の不動産市場は、ちょうど「賃料がグッと伸び始めていた時期」でした。そのため、土地から新築用地を探すのと並行して、新築建売物件もウォッチしていました。

なぜかというと、市場で売りに出されている新築建売物件の中に、「賃料が伸びる前の、過去の低い家賃相場」で利回り計算(引き直し)されている物件がポツポツと紛れ込んでいたからです。

購入後に今の相場で募集をかければ、売り出しの利回りよりも実際の利回りがポンっと上がる「歪み」が存在していました。おおよそ、0.5ポイント程の歪みがある物件がポロポロありました。

ある日、まさにその歪みが生じている「A棟・B棟のセット売り新築建売」を発見!すぐさま師匠である黒神様に連絡を取ったところ、

黒神様

その物件、ちょうと拙者も狙っていたところナリよ

という事で、二人で同時購入を試みましたw

しかし……結果から言うと、私は融資付け(エリアの問題)でNG、無念の脱落😭
(ちなみに黒神様は、サクッと指値交渉もした上で、息を吐くように購入されていきました。。。)

久しぶりの好条件の建売を逃し、その後も市場を注視していましたが、そう都合よく「引き直し誤り」のお宝物件は転がっていません。

「やっぱり、自分で土地から建てた方が一番利回りが創り出せる……!」

そんな思いを強くしていた矢先、私のスマホに黒神様から1通のLINEが届いたのです。

物件情報から買付まで、超・濃密な6時間

ここからは、物件情報をキャッチしてから買付申込に至るまでの、超・濃密な6時間の動きをお届けします。ちなみに、私が9年近くに渡る、東京都内の土地から新築企画活動で身につけた幽波紋(スタンド)はスピード特化型です。こいつが大活躍してくれました。

黒神様から届いた「これ、いける?」

黒神様

こんなん見つけたけど、モノにならないナリかね?

黒神様から送られてきたのは、こんなスペックの土地でした。

  • 足立区某駅徒歩5分
  • 土地面積:100平米弱
  • 建ぺい率:60%
  • 容積率:200%
  • 高度地区:第二種高度
  • 用途地域:第一種中高層住居専用地域
  • 防火地域:準防火
  • その他:古家有り
  • 道路付け:3方角地(北側4m道路、東側/南側6m道路)
ひーやん

これ!お宝物件じゃないですかぁ!

1K×9戸の木三共と建てられるとして、パッと見の皮算用で収支を弾いてみると……利回りは7.5%程度! このご時世の東京23区で、この利回りはかなり優秀です。

古家付きの土地でしたが、このエリアは自治体から一定の条件に合致する古家であれば、「老朽家屋の解体助成金が150万円」出ることを助成金マニアの私は知っていました。古家の条件は合致していたので、うまくいけば、解体費はほぼ相殺できます。

足立区の助成金パンフレット

そして何より、私がこの土地にポテンシャルを感じた最大の理由が「斜線制限のクリアランス」でした。第二種高度斜線は北側道路4mでほぼほぼ避けることができるのですが、住居地域のため、道路斜線も厳しくなります。ただ、この土地は東側/南側が6m道路のため、北側道路4mも2a緩和で6m道路とみなすことができるため、敷地ギリギリまで建物を詰め込むことができる土地だったのです。

2A緩和とは

建築基準法には「広い道路(6m)に接しているなら、そこから一定の範囲内は、狭い道路(4m)側も『広い道路と同じ幅(6m)』とみなして道路斜線の計算をしていいよ」という緩和特例があります。これが通称「2A緩和」です!

即座に仲介へTEL&アポ取り

ひーやん

(この物件は僕のためにこの世に出てきた物件だ!)

自意識過剰気味にそう直感した私は、即座にポータルサイトに掲載されていた仲介の担当さんに電話をかけました。

ひーやん

ポータルサイトに出てる足立区の◯◯の物件の資料を頂きたいのですが!

仲介さん

あ、その物件ですね。今、もの凄く問い合わせが入っておりまして……。
順番に対応していますので、時間を見つけて資料をお送りしますね

「今、物凄く問い合わせが入っている

だと!?」

ひーやん

実は、私の方である程度の購入判断は終わっていまして、現地を見て問題なければ、すぐに買付証明書を出したいんです。本日の夕方、現地でお会いできませんか?

仲介さん

えっ? あ、夕方ならちょうど空いていますけど……

少々強引ですが、なんとか夕方の現地アポを確保!勝負の舞台は整いました。

ブロック塀を数えて敷地図をDIY作成

仲介さんから最低限のマイソク資料は送られてきたものの、肝心の「測量図(敷地図)」がありません。現在作成中とのこと。。。


しかし、夕方に「買います!」と即断するためには、簡易的なボリュームプラン(何部屋入るかの図面)は入れておきたいです。

どうするか?……やるしかありません。

私はPCを開き、伝家の宝刀「GoogleMapのストリートビュー」を起動。

画面に映る現地の古家の周囲をグルグル回りながら、「外周のブロック塀の数」と「L字側溝のブロックの数」をひたすらポチポチとカウントしていきました。
(※ブロックやL字側溝の標準的な長さから、土地の縦横の寸法を割り出すというアナログかつ執念の技です)

ストリートビューの画像

3方角地なので、全方位から古家の画像を確認できたのが功を奏しました。

ボリューム図作成&両吉工務店への打診

推定した自作の敷地図をもとに、急いで簡易ボリュームチェックを作成。20㎡以上の1Kが、9戸(1K×9戸)スッポリと入ることが確認できました。

DIY測量図を元に作成した簡易ボリュームプラン

すぐさま、幻の6棟目でお世話になった両吉工務店の両吉社長に図面をメールで送付し、架電します。

ひーやん

こんな感じのプランなんですが、建築費◯◯◯◯万円あたりでいけたりしますか?

両吉社長

うーん。。。今の資材高騰を考えると、かなり厳しい価格かな。。。

ただ、前回の墨田区の案件も(地位譲渡先の孫子大家さんを)つなげてもらったし、私もひーやんさんと一緒に仕事をしたいので、何とか近い価格で頑張りますよ!

ひーやん

ありがとうございます!今度こそ、両吉工務店さんで建てられるように絶対買付通してきます!

これで、建築費の目処もバッチリ立ちました。

いざ現地へ!

夕方。私は「2つの武器」をリュックに忍ばせ、現地へと向かいました。

1つ目の武器は、「買える人」であることをアピールする自己PR資料。私がこれまで手掛けてきた物件のポートフォリオや、金融資産の状況をまとめた資料です。この資料は定期的に最新化して、いつでも印刷できるようにしています。

そして2つ目の武器は、「手土産」🎁。


初めてお会いする業者さんには必ず持参する、私の中での鉄板ルーティンです。これがあるのとないのとでは、その後のコミュニケーションの円滑さが段違いになります

約束の時間に駅前で待ち合わせ、一緒に現地へ。仲介さん曰く、やはり今日一日でこの物件への問い合わせの電話が鳴り止まない状態だったそうです。

ひーやん

少し敷地の寸法を確認したいので、測らせてもらってもいいですか?

仲介さん

いいですよ!お手伝いしますね!

私は持参したメジャーとレーザー測定器を取り出し、仲介さんにも端を持ってもらいながら、一緒に測量を開始しました。

しかし、ポイントを測っていくうちに……背筋に嫌な汗が流れました。

ひーやん

(あれ……? 朝、GoogleMapを見て推定した敷地の縦横比と全然違うぞ……!? 推定よりもかなり縦長の敷地だ……。古い家だから、ブロック塀やL字側溝の標準寸法が今と違うのか?むむむ?縦長ということはどうなる?横長よりは良いが、あれやこれやあれやこれや・・・)

仲介さん

他に測定したいところはありますか?

ひーやん

・・・大丈夫です!バッチリです!

内心はパニックですが、ここで仲介さんの前で動揺を見せてはいけません。「想定通りです」という涼しいポーカーフェイスを、おそらく多分、最後まで貫き通すことができたと思います。

喫茶店での最終交渉

測量を終え、事前に調べておいた近くの喫茶店に言葉巧みに誘導して着席。
まずは用意していた手土産をお渡しし、和やかな雰囲気を作ってから商談スタートです。

ひーやん

測量のお手伝い、ありがとうございました。事前にGoogleMapで推定してきた寸法とだいたい同じでした。いやぁ、ホッとしましたよ(ハッタリ)

仲介さん

良かったですー。でも、この土地にどんなアパートが建てられるかは、これから検討されるんですよね?

ひーやん

いや、実は私、建築士の資格も持っていまして。自宅でプランを作ってきたんですよ。こんな感じです

そう言って、私は「先ほどの測量結果と寸法が全然異なる、朝作った簡易ボリュームプラン」を印刷したA3用紙を、堂々とテーブルに提示しました。

仲介さん

へー!こんな大きなアパートが建てられるんですね!

ひーやん

(ホッ……)

そうなんです。ちなみにこちら、私のプロフィール資料です

仲介さん

えっ、もう何棟も不動産お持ちなんですね!すごい!

自己PR資料と建築士の肩書き(+手土産)の効果はテキメン。完全に「確実に買ってくれる優良顧客」として認識してもらえました。

すっかり場の空気が温まったところで、いよいよクロージングです。

ひーやん

ということで、買付申込をお願いしたいのですが、私が一番手になりますか?

仲介さん

もしかしたら、事務所のメールやFAX等に他の方から買付が入っているかもしれませんが、私が直接受け取るのは、ひーやんさんが初となりますね

ひーやん

(含みのある言い方するなぁ…)

実はこれまでも、一番手で買付けを入れていたのに、後から現金買いやローン特約無しの条件で物件を持っていかれることが多くて……今回は何としても購入したいんです

仲介さん

はぁ・・・

ひーやん

そこで、ご相談なのですが……(◯×◯×な秘密の交渉術)と考えています

仲介さん

本当ですか!? それは嬉しいです!

この後、売主様にすぐに電話して確認しますね!

作戦成功!!٩(๑´3`๑)۶


ちなみに、この交渉術は私が編み出したものではなく、魔界のお友達、スライムさんに教わったものです。

スライムさん

競合した際にエンドが業者より優先されるには、以前お話ししたかもしれませんが◯×◯×をすると高確率で優先されますよ

これ、ガチで効きましたが、私のノウハウではないので、非公開とさせて頂きますw(ありがとう!スライムさん!)


ひーやん

良かったです!それでは買付を出させて頂きます。金額は満額ですが、ローン特約はつけても問題ないですか?

仲介さん

全然問題ないです!

こうして無事に買付申込書を提出。仲介さんとの間に「心の売り止め(他の客に流さないという暗黙の約束)」をしっかりと結び、私は帰路に。

後日、無事に売主さんからの承諾が得られ、売買契約へと駒を進めることができました!

怒涛の1日で掴み取った「新・6棟目」の土地。しかし、現地での測量で発覚した「敷地の寸法のズレ」という爆弾を抱えたままです。果たして無事に希望のボリュームは入るのか? そして立ちはだかる幻の6棟目で発生した融資の壁……

後編へ続きます!



★2023年1月に書籍を出版しました★